簡単でシンプルなコーチング
簡単でシンプルなコーチング
〜解決志向ブリーフ・コーチングの本質〜


原題:COACHING PLAIN & SIMPLE
Solurion-focused Brief Coaching Essentials

著者:ピーター・ザーボ/ダニエル・マイヤー

監訳:青木 安輝
翻訳:西田 博明

本書は米国Norton社より特別許可をいただき、弊社関係者にのみ頒布をしています。
一般書店等でお求めになることはできません。


定価 2,500円(税込・送料サービス)

目次と前書き
1.コーチングとは?(What is Coaching?)・・・7
解決という絵のための「額縁」をつくること(Creationg a Framework for Solution) 7
認識・選択・信頼において違いを作り出す(Making a Difference in Awareness, Choice, and Trust) 10
一人一人にあった変化をサポートする(Supporting Customized Change) 12
ミニワーク(Experiment) 13
2.短時間でコーチングするために役立つ仮説(Useful Assumptions for Being Brief) ・・・14
・仮説1:解決構築が問題解決への近道である
(Assumtion1: Solution Building Is a Fast Track To Problem Solving) 14
・仮説2:クライアントはすでに解決に関連する経験を持っている
(Assumtion2: Clients Already Have Experience With the Solution) 18
・仮説3:迷ったときは、クライアントを信じる(Assumtion3: When in Doubt, Trust the Clients) 19
・仮説4:不知の姿勢を取ることが役に立つ(Assumtion4: Not Knowing is Useful) 21
ミニワーク(Experiment) 22
3.全体像:解決志向な会話の5つの要素
(Over View: Elements of a solution-focused conversation)・・・23
・要素1:コーチングの目的に関する合意(Element1: Coaching Agreement) 24
・要素2:欲しい未来(Element2: Preferred Future) 24
・要素3:解決の前兆(Element3: Precursors of the Solution) 24
・要素4:前進の手がかり(Element4: Clues for Upcoming Progre) 25
・要素5:セッションのまとめ(Element5: Session Conclusion) 25
4.初回セッション開始前のコンタクト (Contacting Before You Start)・・・26
ミニワーク(Experiment) 28
5.コーチングの目的に関する合意を結ぶ (Reaching a Coaching Agreement)・・・29
・終着点を意識してスタートする (Starting With the End in Mind) 29
・ダンスは二人で踊るもの (It takes Two to Tango) 33
ミニワーク(Experiment) 33
6.欲しい未来を発見する (Discovering a Preferred Future)・・・34
・ 障害を越えた先を見る(Seeing Beyond the Obstacles) 34
・「ミラクル・クエスチョン」のスロー再生 (The Miracle Question in Slow motion) 36
・「ミラクル・クエスチョン」の代わりとなる質問 (Alternative to the Miracle Question) 40
ミニワーク(Experiment) 41
7.リソースと解決の前兆を見つける (Finding Resources and Precursors of Solutions)・・・43
・解決の前兆を探す (Asking for Precursors) 43
・困難に対処してきた能力を評価する (Valuing the Ability to Cope) 45
・リソースを賞賛する (Complimenting Resources) 46
・スケーリング・クエスチョン (Scaling Questions) 48
ミニワーク(Experiment) 49
8.前進の手がかりを明確にする (Defining Progress Clues)・・・50
・次の前進の兆侯について尋ねる (Asking Signs of Upcoming Progress) 50
・言葉を効果的に使う (Using Language Effectively) 52
・「小さい」ことが大切 (The Importance of Being Small) 53
・選択肢を増やす (Increasing Choice) 56
ミニワーク(Experiment) 57
9.セッションをどう締めくくるか (Coming to a Session Conclusion)・・・59
・最後の数分をどのように計画するか (Planning the Last Minutes) 59
・敬意をこめた力づけ (Appreciative Reinforcement) 61
・試行課題を提案する (Suggestions for Experiments) 61
・何か違う事を行う (Doing Something Different) 63
ミニワーク(Experiment) 66
10.フォローアップ・セッション (Follow Up Sessions)・・・67
・よくなったことをたずねる (Asking What has become Better) 67
・謙虚なクライアント (Humble Clients) 71
・スケールのポイントを上げていく (Moving Up the Scale) 72
・「何も良くなっていません」と言われたら?(What Happens when “Nothing Is Better”?) 72
・追加セッション (Further Sessions) 74
ミニワーク(Experiment) 75
11.エグゼクティブへのブリーフ・コーチング:3つのケース
(Brief Coaching of Executives: Three Examples)・・・76
・ ケース1:リーダーとしての役割をレベルアップする(Case Example1: Gearing Up the Leadership Role) 77
・ケース2:上司を感化する (Case Example2: Influencing the Boss) 80
・ケース3:キャリアの決断 (Case Example3 : Career Decision) 82
ミニワーク(Experiment) 84
12.テクニックを超えて:コーチとしての継続的学習
(Beyond Techniques: Continuous Learning as a Coach)・・・85
・コーチング・プレゼンスを創りだす技(The art of Coaching Presence) 86
・クライアントとともに創り上げるという技(The Art of Co-creating with the Client) 86
・手放す技 (The Art of Letting Go) 87
ミニワーク(Experiment) 94
FAQ:著者がよく聞かれる様々な質問に答えます
(The Author Answers a Potpourri of Frequently Asked Questions )・・・96
参考文献と役に立つウェブサイト(Bibliography and Helpful Web Site)・・・101
前書き

コーチングで成果を出すためには、必ずしも長い時間をかける必要があるわけではありません。あなたはこんな疑問を持ったことはありませんか?

・なぜクライアントがほんの少しの時間で大きな進歩を遂げることがあるのだろう?

・あるコーチングセッションが、他のセッションよりもはるかに効果が高いのはどうしてだろう?

この本は、コーチとして短期間で効果を出すための秘訣を書いています。私たちがお伝えする手法は、他のコーチング手法と比べた場合、驚くほどシンプルです。あなたは今よりもリラックスして、楽にコーチングを行いながら、クライアントの満足度が高まるでしょう。また、あなたはコーチとして新しいテクニックを手に入れて、昔のテクニックのいくつかは手放すことができるかもしれません。あなたは、良いコーチとはこうあるべきだという古い信念を問い直して、プロとして幅広い選択肢が開けてくるでしょう。

ソリューション・フォーカスト・アプローチは1980年代初めにインスー・キム・バーグとスティーブ・ディ・シェイザーをはじめとする、アメリカ・ミルウォーキーの研究チームによって開発されました。このチームは、クライアントがしようとしていることが何であれ、その成功を支援する効果的で効率的な方法を見つけることを使命としていました。彼らはまず、「何が問題を引き起こしたのか」ではなく、「何が役立つか」を探すことから始めました。問題ではなく、解決に集中することで、一般的なセラピーと同じ成功率を保ちながら、セッションにかかる平均時間を70%も減らしたのです。彼らは、理論的なモデルにしたがうのではなく、「どの質問と介入がクライアントの人生に良い結果を及ぼしたか?」と問いかけながら、自分たちのセッションを分析していきました。何年にも渡って見直しとムダを削る作業を繰り返した結果、彼らが見つけ出したシンプルな会話の要素が、適切な進歩をサポートするための劇的なパラダイムチェンジを引き起こしたのです。

1997年、ピーター・ザーボは、ソリューション・フォーカスの要素を、コーチングの世界に活用し始めました。彼は、セラピーで使われていたツールと方法をビジネスや組織のコンサルティングやコーチングで使用できるようにすることを目的に、スイスでコーチングスクールを設立しました。そこで生まれ、発展してきたコーチングは、ソリューションフォーカス・コーチング、もしくはブリーフ・コーチングと呼ばれています。

その後、ダニエル・マイアーはチームコーチングのためのソリューション・フォーカス・モデルを開発しました。彼はさらに、ブリーフ・コーチングのテクニックをマネジメントに活用しています。

「ソリューションサーファーズ(Solutionsurfers)」はピーターとダニエルによってスイス・ルツエルンに設立され、スイスでナンバーワンのコーチ養成機関となり、今では世界中でコーチ・トレーニングを行っています。10年以上コーチングを教え、実践してきた経験を踏まえ、私たちはこのシンプルで簡単なソリューションフォーカス・ブリーフ・コーチングの本を書くことにしました。この本には、短いイントロダクションと、必要なツール、この新鮮で一風変わったコーチング手法の背景となる考え方がすべて載っています。

どうぞお楽しみください!

                   ピーター・ザーボ & ダニエル・マイヤー

              ソリューションサーファーズ、ルツエルン2008年9月